「会社のパソコンにはセキュリティソフトを入れてるけど、プライベートで使うゲーミングPCに入れる必要はある?」
「BTOのカスタマイズでセキュリティソフトを導入できるけど、必要なの?」
PCに詳しくない人でも「ウイルス(マルウェア)」という言葉を聞いたことがある人は多く、ゲーミングPCにセキュリティソフトを入れるべきかどうかを悩む人はいる。
この記事では、ゲーミングPCにセキュリティソフトを入れる必要性は薄いということについて解説する。
この記事を読めば、セキュリティソフトに関する悩みが解消し、安心してゲームを楽しむことができるようになる。
セキュリティソフトとは
セキュリティソフトとは「パソコンやスマホを、インターネット上の様々な危険から守ってくれるソフトウェア」のことだ。
家を守るために鍵をかけたり警備システムを導入したりするように、デジタル機器を悪意から守るために用いられる。
セキュリティソフトの具体的な機能の例は「ウイルス・マルウェア対策」「ファイアウォール」「Web保護」「不正侵入の検知」などだ。
セキュリティソフトには無料のものと有料のものがあるが、一般的には有料のソフトのほうが機能が豊富で、サポート体制も充実していることが多い。
【結論】なぜゲーミングPCにセキュリティソフトは不要と言えるのか
追加のセキュリティソフトをゲーミングPCに入れる必要はない理由は、Windowsに標準搭載されている「Windowsセキュリティ」が非常に優秀だからだ。
一昔前のWindowsに搭載されていたセキュリティ機能はかなり低性能であり、追加のセキュリティソフトが必須だと言われていた。
しかし2015年ほどからセキュリティ機能が向上し、今では有料のセキュリティソフトと同程度の防御力となった。Windowsセキュリティは信頼性の高いソフトと言える。
実際、Windowsセキュリティの性能の高さは、第三者機関から認められている。
例えば第三者機関「AV-Comparatives」が指定した、2024年の「Approved Windows Security Product Award」を獲得した16のソフトのうち1つは、Windowsセキュリティだ。
›AV-Comparatives Summary Report 2024(外部サイト)
他の有料セキュリティソフトと比べても見劣りしないという評価がある以上、わざわざ追加のセキュリティソフトを入れる必要性はないと言える。
Windowsセキュリティの機能
Windowsセキュリティの主な機能は以下の通り。
- ウイルスと脅威の防止:ウイルス検出のためのスキャン。リアルタイム保護も。
- アカウントの保護:パスワードの管理やセキュリティキーの設定など。
- ファイアウォールとネットワーク保護:どのユーザーと機能がネットワークに接続できるかを設定。
- アプリとブラウザーの制御:危険性のあるアプリやサイトなどからPCを保護する。
- デバイスセキュリティ:コア分離やセキュリティプロセッサなどのデバイスに組み込まれているセキュリティ。
- デバイスのパフォーマンスと正常性:ストレージの容量やアプリの不具合など、デバイスの状態に関するレポートを確認。
- ファミリーオプション:子どものPC利用に対して、アクセス制限や時間帯の管理などを行える。
Windowsセキュリティには基本的な機能が入ってるが、不正アクセスや情報漏洩防止、フィッシング検知などの機能はない。また、サポートがほぼないため、何かあったときの対応が難しいという面もある。
追加のセキュリティソフトにはデメリットもある
ゲーミングPCに追加でセキュリティソフトを入れることで、主に3つのデメリットがある。
- PCのパフォーマンスが下がる
- ゲームやソフトとの相性問題が起きることがある
- コストがかかる
PCのパフォーマンスが下がる
セキュリティソフトは裏で常に動いていて、常にPCのリソースを消費しているため、ゲーミングPCが100%のパフォーマンスを発揮できない。
どれほどのリソースを消費するかはセキュリティソフトによって異なるが、ソフトによってはゲームのフレームレートが大幅に下がることもある。
ゲーミングPCの最大の売りはゲームを快適にプレイできることなので、快適なプレイを妨げるセキュリティソフトは必要ない。
ゲームやソフトとの相性問題が起きることがある
例えば、PCゲームの最大手プラットフォームであるSteamの公式サイトには、セキュリティソフトがゲームのコピー防止技術をマルウェアとして誤検出してしまう場合があると書かれている。
他にも、特定のゲームを起動するとセキュリティソフトの警告画面が出て、プレイできなくなるという事例もある。
セキュリティソフトで除外設定をする手間がかかってしまう。
コストがかかる
有料のセキュリティソフトを購入する場合、当たり前だが料金がかかる。
料金はソフトやプランによって異なるが、安くても年間5,000円ほどだ。
ゲーミングPCやゲーミングデバイスはただでさえ高額なのに、さらにセキュリティソフト代がかかるとなると、出費は非常に多くなってしまう。
BTOの無料お試し版は削除して良い
BTOでゲーミングPCを購入すると、無料お試し版セキュリティソフトがインストールされていることが多い。
Windowsセキュリティを利用する場合、お試し版はアンインストールして良い。
むしろお試し版が入っていることでWindowsセキュリティがオフになっているためアンインストールすべきだ。
そもそもゲーミングPCにセキュリティリスクはあるのか
ゲーミングPCは普通のPCとは違ってメールのやり取りが少ないため、「マルウェア入りのメールを誤って開いてしまった」というような事態は起こりにくい。
しかし、ゲーミングPC特有と言えるセキュリティリスクが存在する。
- MOD導入によるセキュリティリスク
- ソフトのダウンロードによるセキュリティリスク
- ゲームのダウンロードによるセキュリティリスク
とはいえどれも、怪しいサイトを利用しなければ防ぐのは簡単であり、ゲーミングPCの利用によるセキュリティリスクは低いと言える。
MOD導入によるセキュリティリスク
MODとはゲームの改造データのことであり、主にオフラインゲームにおいて個人で楽しむために導入される。例えばマインクラフトでは、MODの導入が当たり前に行われている。
MODを導入する際は、怪しい個人サイトではなく、信頼できそうなMODまとめサイトからダウンロードすることでセキュリティリスクが低くなる。
特に皆がダウンロードしているMODは安全性が高いと言える。もしマルウェアが仕組まれている場合、誰かが発見して話題になるはずだからだ。
MODを導入する際は、定番のサイトで定番のMODを選ぼう。
ソフトのダウンロードによるセキュリティリスク
ソフトをダウンロードする際は、定番のソフトを公式サイトからダウンロードすることでセキュリティリスクが低くなる。
ゲーミングPCを購入すると、必要以上に色々なソフトを入れてみたくなるものだ。
定番ソフトであればセキュリティリスクは低いと言えるが、マイナーなソフトの場合は相応の危険性がある。
マイナーなソフトはネット上の情報が少なく、「検索上位に出てきた個人サイトが紹介しているソフトにマルウェアが仕組まれていた」というような事態が起きる。(実際に以前見たことがある)
ゲーミングPCに本当に必要なソフトはほとんどないため、よく精査してインストールするかどうかを決めることが大事だ。
ゲームのダウンロードによるセキュリティリスク
ゲームのダウンロードによってマルウェアに感染するケースがあるが、大手企業がリリースしているゲームであれば、このリスクは少ない。
ゲームの開発ツールをハッキングした人がマルウェアを仕組むことで、リリース後にソフトをダウンロードしたユーザーがマルウェアに感染するのだ。
信頼元が信頼できたり、既に多くの人が遊んでいるゲームだけをインストールすべきだ。
より安全にゲームを楽しむためにできること
Windowsセキュリティがいくら優秀でも、マルウェアを完璧に防いでくれるわけではない。
以下のようなことに気を付けると、ゲーミングPCを安全な状態に保ちやすい。
- Windowsを常に最新の状態に保つ:最新の脅威に対抗するためには、Windowsを最新バージョンにしておくことが大事だ。ただし、ゲームによっては不具合が出ることもあるため、不具合情報を確認してからアップデートしよう。
- 怪しいサイトやメールに注意する:例えば大人向け動画を閲覧できるサイトでは、広告をクリックしないように注意する。メールでは、安易にリンクをクリックしないように注意する。
- 信頼できないファイルやプログラムは実行しない:皆が利用しているデータだけをダウンロードする。
- 強力なパスワードを設定し、サイト間で使いまわさない:アルファベット・数字・記号を組み合わせた長いパスワードを設定することで、セキュリティレベルが向上する。
- 二段階認証を設定できる場合は設定する:二段階認証は、セキュリティレベルを向上できるシンプルな方法だ。
例外:追加のセキュリティソフトを検討すべき人
ゲーミングPCにはWindowsセキュリティで十分だというのが当サイトの意見だが、追加のセキュリティソフトを検討すべき人もいる。
- 万が一に備えたい人
- 第三者の個人情報を扱う人
万が一に備えたい人
セキュリティソフトは保険のようなものであり、万が一が怖い人は追加の有料セキュリティソフトを導入した方が良い。
有料セキュリティソフトはWindowsセキュリティより多機能で、サポート体制も充実しているからだ。特に最近はWindowsセキュリティなどの無料ソフトの性能が上がっているため、有料ソフトはサポート面に力を入れて差別化している傾向にある。
心配性な人は有料セキュリティソフトを導入することで安心を買えるというわけだ。
第三者の個人情報を扱う人
ネット上でのやり取りで、第三者の口座情報や住所などの個人情報を扱う人は、有料セキュリティソフトを導入すべきだ。
第三者の個人情報は漏洩させるべきではないし、もし漏洩すると大きな問題になる。
ゲーミングPCで第三者の個人情報を扱うことはほぼないとは思うが、もし該当する場合はセキュリティソフトを導入しよう。
ゲーミングPCのセキュリティソフトに関してよくある質問
ゲーミングPCのセキュリティソフトに関してよくある質問とその回答を紹介する。
- Windowsセキュリティだけで本当に安心できるのか?
- セキュリティソフトを入れると、ゲーミングPCが重くなる?
- セキュリティソフトを複数入れるとどうなる?
Windowsセキュリティだけで本当に安心できるのか?
Windowsセキュリティがマルウェアを100%防げるわけではない。防げなかったり、感知できなかったりするケースはある。
しかしどのセキュリティソフトでもマルウェアを100%防ぐのは不可能だ。
Windowsセキュリティは有料ソフトと肩を並べるほどの性能だと客観的に認められていて、しかもWindowsに標準搭載の無料ソフトなので、おすすめしている。
セキュリティソフトを入れると、ゲーミングPCが重くなる?
セキュリティソフトは裏で常に動作しているため、ゲーミングPCが重くなる可能性はある。少なくとも軽くなることはない。
セキュリティソフトにも動作が軽いものと重いものがある。2024年のAV-Comparativesのテストによれば、マカフィー、カスペルスキー、ESETは動作が軽い。
ゲーミングPCにセキュリティソフトを導入するなら、軽いソフトを選ぼう。
セキュリティソフトを複数入れるとどうなる?
セキュリティソフトを複数入れると、ソフト同士が干渉して正しく動作しなくなる。
二重の防御で防御力が向上するどころか、防御力が下がってしまうので、2つ以上のセキュリティソフトを入れないようにしよう。
例外として、常駐型1つと非常駐型1つであれば入れて良い。干渉し合わないからだ。
常駐型とは、Windowsセキュリティや一般的なソフトと同じように、常に監視をしているタイプのソフトのこと。非常駐型とは、手動で操作したときのみスキャンをしてくれるソフトのことだ。
常駐型をメイン、非常駐型をサブとして使うことで、常駐型が見逃してしまったマルウェアを非常駐型で発見するといった使い方ができる。非常駐型のセキュリティソフトにはインストール不要なものもある。
Windowsに別のセキュリティソフトを入れると、Windowsセキュリティは自動的にオフになる。
まとめ:賢くセキュリティ対策をして、快適なゲームライフを送ろう
この記事では、ゲーミングPCにセキュリティソフトは不要であり、標準搭載のWindowsセキュリティで十分だと解説した。
- ゲーミングPCにはWindowsセキュリティで十分
- Windowsセキュリティの性能は第三者機関からも認められている
- MODやソフトをインストールする際、信頼性の高いサイトやデータだけを利用する
- 心配性で万が一が怖い人は有料セキュリティソフトを導入することで安心を買える
脅威を100%防げるセキュリティソフトは存在しない。Windowsセキュリティと有料セキュリティソフトのどちらを選ぶにしろ、自分自身が悪意のあるサイトやデータにアクセスしないことが重要だ。
BTOであれば、セキュリティソフト以外のパーツにおいても、自分に合った構成のゲーミングPCに仕上げることができる。特にPC初心者であれば、BTOの利用をおすすめする。
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