「ゲーミングPCが欲しいけど、どれを選べば良いのかわからない」
「BTOゲーミングPCってよく聞くけど、普通のPCと何が違うの?」
この記事では、そんな疑問を持つ人に向けて、BTOゲーミングPCの選び方を徹底解説する。
主要パーツの解説から、おすすめBTOの紹介、購入後のメンテナンス方法まで、初心者でも安心してゲーミングPCを選べるように、役立つ情報をまとめた。
ぜひこの記事を参考にして、自分にピッタリの一台を見つけてほしい。
BTOゲーミングPCとは?
BTOゲーミングPCとは、Build To Order(ビルドトゥーオーダー)、つまり受注生産方式で販売されるゲーミングPCのことだ。
一般的な既製品PCとは違い、用途に応じたカスタマイズが可能で、必要なスペックに合わせた構成にできるのが特徴だ。特にゲーミング用途ではスペックにこだわる人が多いため、BTOの柔軟性が重視される。
カスタマイズ以外にもBTOゲーミングPCのメリットはある。コストパフォーマンスの良さ、拡張性の高さ、余計なソフトウェアが入っていないことなどが挙げられる。
BTOゲーミングPCのデメリットとしては、受注生産という性質上、注文から納品まで時間がかかることだ。
BTOとは?
BTOとは「Build To Order」の略で、受注生産という意味だ。
ゲーミングPCに限らず、自動車や家具など、様々な製品で採用されている販売方式となる。
ユーザーのニーズに合わせて、必要な機能や性能を持つ製品を注文できるのが特徴だ。
ゲーミングPCと普通のPCとの違い
ゲーミングPCと普通のPCとの最大の違いは、グラフィックボードを搭載しているかどうかだ。
ゲーミングPCはグラフィックボードによって、高画質の3Dゲームや動画編集などを快適に行える設計がされている。
グラフィックボード以外にも、冷却性能の高いCPUクーラーや、大容量メモリ、高速ストレージなどもゲーミングPCには搭載されている。
ゲーミングPC | 普通のPC | |
---|---|---|
グラフィック性能 | 高画質3Dゲームのために高性能なグラフィックボードを搭載 | Officeソフトやウェブ閲覧が主な用途なので、最低限のグラフィック性能しかない |
冷却性能 | 発熱量の多い高性能パーツを冷やすために、冷却性能の高いCPUクーラーやケースファンを搭載 | 最低限の冷却性能 |
メモリ | ゲームやクリエイティブソフトの快適な動作のために32GB以上のメモリを搭載することもある | 高負荷の作業に適さないため、8~16GBのメモリで十分 |
ストレージ | 大容量のゲームをインストールするために1TB以上のSSDを搭載 | 容量を必要としないため、256GBや512GBのSSDが多い。 |
ゲーミングPCと普通のPCとの詳しい違いについては、以下の記事で解説している。
›【徹底比較】ゲーミングPCと普通のPCの違いとは?性能・価格・用途をわかりやすく解説!
BTOゲーミングPCと既製品ゲーミングPCとの違い
BTOゲーミングPCはパーツを自由に選べるため、自分がどのゲームをどれほどのフレームレートでプレイしたいのかや、自分の予算に合わせた構成が可能だ。
一方で既製品ゲーミングPCは、メーカーが組み立てた状態で販売されていて、自分の要望に合った構成になっていないことが多い。
比較項目 | BTOゲーミングPC | 既製品ゲーミングPC |
---|---|---|
価格 | 自分の予算に応じて調整可能 | 調整できず、不必要な性能を買うことになることもある |
カスタマイズ性 | 高い(ショップによる) | 低い |
保証 | あり | あり |
納期 | 注文後に組み立てるため、数日~数週間 | すぐに購入して使用可能 |
BTOゲーミングPCの選び方
BTOゲーミングPCを選ぶ際は、以下の4つのステップで進めるとスムーズだ。
- 用途を決める
- 重視したいことを決める
- 予算を決める
- 長く使えるBTOゲーミングPCにする
用途を決める
BTOゲーミングPCを選ぶ際、最も重要なのは「用途の明確化」だ。
ゲーム専用なのか、動画編集や配信などのクリエイティブ用途も考慮するのかによって、必要なスペックが大きく異なる。
- ゲーム:最新の3Dゲームを最高画質でプレイしたいのか、軽量ゲームをプレイしたいのかによって、必要なスペックが変わる。eスポーツ系ゲームをプレイする場合は、高フレームレートを出すためにある程度の性能を持つCPUとグラフィックボードが必要。画質重視のRPGをプレイする場合は、高フレームレートは必要なく、グラフィックボード性能が特に重要となる。
- ゲーム配信:ゲーム実況や配信を行う場合は、ゲームをしながら録画・配信をすることになるため、マルチタスクが得意なCPUやメモリ容量を選ぶ必要がある。
- 動画編集:4K動画などの負荷の大きい動画を編集する場合は、高性能なCPUやグラフィックボードが必要となる。
- イラスト・3DCG制作:クリエイティブ作業を行う場合は、高性能なCPUやグラフィックボード、容量の大きいメモリが必要となる。
重視したいことを決める
用途を決めたら、次に「何を最も重視するか」を明確にすることで、パーツ選びやBTO選びがスムーズになる。
- 価格重視:予算内でバランスの取れた構成を考える
- 性能重視:現行最高スペックを求めるなら、最新世代で高性能なCPU/グラフィックボードを搭載
- 静音性重視:冷却性能が高く、静音性のあるケースやファンを搭載
- デザイン重視:白いケースやピラーレスケースといったケースのデザインで選ぶ。当サイトが主軸にしているコンセプト
予算を決める
BTOゲーミングPCの価格帯は構成によって大きく変動する。目安としては以下のように分類できる。
主な用途 | |
---|---|
15~20万円 | フルHDゲーミング向け。 この価格帯はBTOではあまり見かけない。 |
20~25万円 | フルHDゲーミングに最適。 フルHDの動画編集などの軽めのクリエイティブ作業は可能。 |
25~30万円 | WQHDゲーミングやクリエイティブ作業に最適。 |
30~40万円 | WQHDゲーミングやクリエイティブ作業に最適。 |
40~50万円 | WQHD~4Kゲーミングやクリエイティブ作業に最適。 |
100万円前後 | 4Kゲーミングやクリエイティブ作業に最適。富豪向け。 |
長く使えるBTOゲーミングPCにする
BTOゲーミングPCは、一度購入すると長く使うものだ。
長期間快適に使えるBTOゲーミングPCにするためには、以下の点に注意したい。
- 最新世代のCPU/グラフィックボードを選ぶ:型落ち世代を選ぶと、すぐに性能不足になる可能性が高い
- メモリの容量に余裕を持たせる:最低でも16GB、可能なら32GBあると良い
- 電源ユニットの品質を重視する:80PLUS認証の高品質な電源を選ぶ
- 冷却性能を確保する:エアフローの良いケースや高性能なCPUクーラーを選ぶ
- 拡張性を考慮する:将来的にグラフィックボードやストレージを増設できる構成にする
- ノートではなくデスクトップを選ぶ:寿命の短いノートではなく、デスクトップを選ぶ
これらのポイントを押さえることで、長期間使えるBTOゲーミングPCを選ぶことができる。
BTOゲーミングPCの主要パーツを解説
BTOゲーミングPCの性能を大きく左右する主要パーツについて解説する。
- CPU
- グラフィックボード
- メモリ
- ストレージ
- 電源ユニット
- CPUクーラー
CPU
CPU(中央処理装置)はPCの頭脳とも言える重要なパーツであり、PCのパフォーマンスを左右する最も重要なパーツの1つだ。
特にゲーミングPCでは、フレームレートの向上や安定性、処理速度に大きな影響を与える。オンラインゲームやCPU負荷の高いゲームでは、高性能なCPUを選ぶことが快適なプレイ体験に繋がる。
- コア数:脳の数。コア数が多いほど、複数の処理を同時に行える
- スレッド数:1つのコアで同時に処理できる命令の数。「1つの脳には右脳と左脳の2つがある」くらいの認識で良い
- クロック周波数:CPUの動作速度を表す指標。クロック周波数が高いほど、処理速度が速くなる
- キャッシュメモリ:CPU内部にある高速な記憶領域。キャッシュメモリが大きいほど、CPUの処理効率が向上する
CPUの選び方
CPUの一例 | スペックや主な用途 | |
---|---|---|
エントリークラス | Ryzen5 4500 Core i3-14100 | 軽量ゲームや低予算PC向けのCPU。 汎用性が低く、BTOでの扱いも少ないためおすすめしない |
ミドルクラス | Ryzen5 9600X Core i5-14400 Core i5-14600 Core Ultra5 225 | 一般的なゲーム用途に十分なCPU。 ゲームだけが目的であれば、ここのCPUを選べば問題ない。 |
ハイクラス | Ryzen7 9700X Core i7-14700 Core Ultra7 265 | 重量級ゲームやストリーミングにも対応しやすいCPU。 マルチタスクや動画編集などにも最適であり、汎用性が高い。 |
ハイエンドクラス | Ryzen9 9900X Ryzen9 9950X Core i9-14900 Core Ultra9 285 | 最高性能を求める人向けCPU。 仕事用・プロ用CPUと言える。 |
ゲーム性能重視 | Ryzen7 9800X3D Ryzen9 9900X3D Ryzen9 9950X3D | 基本となるCPU性能に加え、ゲームにおける高いパフォーマンスが特徴のCPU。 |
CPUの詳しい選び方については、別の記事で解説している。
›【ゲーミングPC】CPUの選び方完全ガイド!IntelとAMDの違いから性能の見方まで徹底解説
グラフィックボード(GPU)
グラフィックボード(GPU)はゲームの映像処理を担い、グラフィック描画において最も影響を与えるパーツだ。
グラフィックボードの性能が高いほど、フレームレートを上げることができたり、高い解像度でのプレイが可能になったりする。
- CUDAコア/ストリームプロセッサ:コア数が多いほど複雑で高度な映像処理を高速で行える。要するに高性能。
- コアクロック周波数:コアの動作速度を表す指標。コアクロック周波数が高いほど処理速度がはやい。
- ビデオメモリ(VRAM)容量:映像データを一時的に保存するメモリの容量。作業台の広さのようなものであり、容量が多いほどGPUの処理がスムーズに行われるため、高解像度・高画質のゲームを快適にプレイできる。
グラフィックボードの選び方
グラフィックボードを製造しているメーカーはNVIDIAとAMDだが、主流であるNVIDIAから選ぶと良い。
グラフィックボードの一例 | スペックや主な用途 | |
---|---|---|
ローエンドクラス | RTX3050 | 軽量ゲームや低予算PC向けのグラフィックボード。おすすめしない。 |
エントリークラス | RTX4060 RTX4060Ti | フルHD 60~144fpsが目安。 最新ゲームを高~最高設定でプレイ可能。 |
ミドルクラス | RTX5070 RTX5070Ti | WQHD 60~144fpsが目安。 最新ゲームを高~最高設定でプレイ可能。 ビデオメモリ(VRAM)容量も多いため、汎用性が高い。 |
ハイクラス | RTX5080 | 4K 60fps以上が目安。 最新ゲームを高~最高設定でプレイ可能。 |
ハイエンドクラス | RTX5090 | 4Kや8Kゲーミングが可能。 最高の環境でゲームをプレイしたい人向け。 |
グラフィックボードの詳しい選び方は、以下の記事を参考にすると良い。
›【初心者向け】ゲーム用グラボの選び方!性能の見方から目的別おすすめモデルまで徹底解説
メモリ(RAM)
メモリ(RAM:Random Access Memory)はデータを一時的に記憶するパーツだ。
作業台の広さのようなものであり、容量が多いほど複数のゲームやアプリケーションを同時に起動しても快適に動作する。
ゲームにおいては、ゲームプログラムやデータを一時的にメモリに保存することで、CPUやグラフィックボードがデータに高速にアクセスできるようにする役割を担う。
- 容量:メモリに記憶できるデータ量。容量が大きいほど多くのデータを一時的に記憶できるため、マルチタスクが快適になり、ゲームのフレームレートも向上する
- 規格:DDR4、DDR5など、メモリの種類を表す。新しい規格ほど転送速度が速くなる
- 動作周波数:メモリの動作速度を表す指標。動作周波数が高いほどデータ転送速度が速くなる
- レイテンシ:メモリの応答速度を表す指標。レイテンシが低いほど、データ転送の遅延が少なくなる
メモリ容量の選び方
BTOでは容量のみを選ぶことが多いため、容量の選び方だけを解説する。
スペックや主な用途 | |
---|---|
8GB | ゲーミングPCとしては物足りない容量。軽量ゲーム向けであり、汎用性は非常に低い。 |
16GB | ゲーミングPCとしては比較的標準的な容量。ただし最近だと不足しがち。 |
32GB | 最近のゲーミングPCとしては標準的な容量。32GBにしておけばとりあえず問題ない人がほとんど。 |
64GB以上 | 4K素材を扱うようなクリエイターのみが必要とする容量。一般的なユーザーであれば必要ない。 |
ゲーミングPCに搭載するメモリ容量の選び方は、以下の記事で解説している。
›【16GB?32GB?】ゲーミングPCのメモリ容量の正解は?後悔しない選び方を解説!
ストレージ
ストレージは、ゲームやデータを保存するパーツで、大きく分けてSSDとHDDの2種類がある。
SSDは高速で読み書きができるため、ゲーミングPCの立ち上げやゲームのロード時間を短縮するためには、SSDが必須だ。特にM.2 NVMe SSDを選ぶと、SATA SSDよりも高速なデータ転送が可能となる。
HDDは読み書き速度は遅いものの、大容量を安価で購入できる。大量の動画ファイルなどを扱う人向けだ。
ストレージの選び方
スペックや主な用途 | |
---|---|
NVMe SSD 500GB | 最近のゲーミングPCとしては物足りない容量。1つのゲームしかプレイしない人向け。(そんな人いる?) |
NVMe SSD 1TB | 最近のゲーミングPCとしては標準的な容量。大量のゲームをプレイしたり、大量の動画素材を扱わない限りは十分。 |
NVMe SSD 2TB | やや過剰な容量。 |
SATA SSD | NVMe SSDと比べて速度は遅いが価格は安いため、2つめのストレージとして優秀。 |
HDD | SSDと比べて速度が非常に遅いが、大容量で低価格なので、大量の動画ファイルの保存などに適している。 |
電源ユニット
電源ユニットはPCに電力を供給するパーツで、PC全体の安定性を保つために重要だ。
「CPUの使用電力+グラフィックボードの使用電力」の1.5~2倍ほどが最適な電源ユニットの容量と言われている。
容量がギリギリだとPCの動作が不安定になり、突然シャットダウンするといった症状が出てしまう。逆に容量が多すぎても単に無駄になってしまう。
電源ユニットの選び方
BTOでは構成に合った容量の電源ユニットを選ぶことができるため、容量について気にする必要はほぼない。
重要なのは、80PLUS認証だ。80PLUS認証とは、電気をどれだけ効率的に使えるかを表したグレードのようなものであり、高グレードな電源ユニットほど電気を無駄なく使用できる。
以下は、グレードごとの電気変換効率を表した表だ。
負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% | |
---|---|---|---|
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
BTOではBRONZE、GOLD、PLATINUMのどれかが標準構成になっていることが多い。BRONZEでも問題ないが、GOLDへのカスタマイズもおすすめできる。
グレードが高いほど無駄な電力消費が少なく、電気代を節約できるだけでなく、発熱量の低下、静音性の向上に繋がる。
CPUクーラー
CPUクーラーとは、発熱したCPUを冷やすためのパーツだ。CPU温度が高いと十分な性能を発揮できなくなるため、CPUに合わせた適切なCPUクーラー選びが重要となる。
CPUクーラーには、空冷クーラーと水冷クーラーの2種類がある。価格帯やメーカーにもよるが、空冷クーラーは安いが冷却性能はまずまず、水冷クーラーは高いが冷却性能は高い傾向にある。
CPUクーラーの選び方
スペックや主な用途 | |
---|---|
空冷クーラー | 水冷クーラーより冷却性能に劣る傾向にある。 Ryzen5,7やCore i5,7向け。 |
簡易水冷クーラー | 空冷クーラーより冷却性能に優れている傾向にある。 ポンプで水を送るため、動作音が目立つというデメリットもある。 Ryzen7,9やCore i7,9向け。 |
本格水冷クーラー | PCオタク向けであり、BTOでは扱われていない。 |
BTOゲーミングPCのカスタマイズやオプション
BTOゲーミングPCは、性能には関係のないパーツもカスタマイズできる。ここでは、ゲーミングPCの性能以外に関係するカスタマイズやオプションを解説する。
ケース
PCケースは見た目だけでなく、冷却性能や拡張性にも影響を与える。ケースが大きいほど熱がこもりにくいため冷却性能が高く、スペースが広いため拡張性も高い。
一般的なBTOではシリーズによってケースが決まっていて、カスタマイズできない。
しかしシリーズを選ぶときや、カスタマイズできるBTOを利用するときの参考にしてほしい。
説明 | |
---|---|
ミドルタワー | BTOで標準的な大きさのケース。 冷却性能と拡張性、価格のバランスが良い。 ミドルクラスまでのモデルはミドルタワーが採用されている傾向にある。 |
フルタワー | 冷却性能や拡張性が高いが、価格も高い。 BTOでは、ハイクラス以上のモデルはフルタワーが採用されている傾向にある。 |
コンパクトケース (ミニタワーなど) | 省スペースだが、冷却性能や拡張性は限定的。 ハイクラス以上のモデルでは採用されていない。 |
LED
LEDは、ゲーミングPCの特徴的なカスタマイズ要素の1つだ。
カラフルなLEDを搭載することで、ゲーミングPCをより個性的に、スタイリッシュに演出できる。
説明 | |
---|---|
RGB | 静的な単色ライティング。 |
ARGB | ソフトウェア制御で、複雑な発光パターンやアニメーション効果を表現できる。 |
Wi-FiやBluetooth
ゲーミングデスクトップPCはネットへの有線接続が一般的であり、標準構成のままだと無線接続はできない。
Wi-FiやBluetoothを搭載すると利便性が向上するため、必要な人は以下のどちらかのカスタマイズをすると良い。
- 無線LANを付ける:無線LANの外付けは、ほとんどのBTOで可能なカスタマイズ
- Wi-Fi対応のマザーボードに変更する:多くのBTOでは、マザーボードの変更はできない
OS
ゲーミングPCのOSはWindowsが主流だが、ライセンスの種類に注意が必要だ。
- Windows11 Home:標準的なゲーミングPC向け
- Windows11 Pro:ビジネス用途も考慮する場合に選択する
BTOではWindows11 Homeが主流だが、BTOやモデルによってはWindows11 Proが標準構成になっている。必要に応じて変更しよう。
セキュリティソフト
BTOゲーミングPCの標準構成には、30日間のお試しセキュリティソフト(無料)が入っていることが多く、カスタマイズで有料版を付けることができる。
しかしWindows11には高性能なセキュリティ機能「Windowsセキュリティ」が標準搭載されていて、多くの場合、これだけで十分な保護が可能だ。
もちろんWindowsのアップデートを行い、常に最新の状態に保っておくことや、不審なウェブサイトやファイルにアクセスしないことが前提だが、特別な理由がない限り、追加のセキュリティソフトは不要と言える。
›ゲーミングPCにセキュリティソフトは不要。Windows標準機能で十分な理由
延長保証
ゲーミングPCは非常に高価なため、保証の内容を確認しておくことが重要だ。
- 標準保証:基本的に期間は1年
- 延長保証:基本的に期間は3~5年
- 即日修理対応:配信者など、迅速なサポートが必要な場合に推奨
周辺機器
快適なゲーム環境を整えるためには、ゲーミングPCだけでなく周辺機器の選択も重要だ。
- ゲーミングモニター:リフレッシュレートと応答速度を重視
- ゲーミングキーボード:打鍵感を重視
- ゲーミングマウス:センサー精度や掴みやすさを重視
- ゲーミングヘッドセット:定位感やヘッドホン音質、マイク音質を重視
周辺機器に関しては実機を触らないとわからないこともあるため、実店舗での購入を推奨する。
BTOの比較とおすすめ
BTOショップは多数存在し、それぞれ特徴や強みが異なる。
BTOを特徴ごとに分類
BTOショップは多数存在するが、価格重視、品質重視、カスタマイズ重視の3つに分類できる。
特徴 | BTOの例 | |
---|---|---|
価格重視 | 無名メーカーのパーツを多く搭載することで価格を下げている。 コストパフォーマンスは高い。 知名度の高いBTOは価格重視なことが多い。 | ドスパラ フロンティア パソコン工房 |
品質重視 | 有名メーカーの高品質パーツを多く搭載することで、冷却性能や耐久性を高めている。 コストパフォーマンスは低い。 | サイコム |
カスタマイズ重視 (ケース重視) | 1つ1つのパーツを広すぎるカスタマイズ幅から選択可能。ケースを選べるBTOもある。 | SEVEN Ark |
性能に関してはどのBTOも同じだ。例えばCPUがRyzen9 9950Xであれば、どのBTOのRyzen9 9950Xも同性能となる。
おすすめの価格重視BTO
価格重視でBTOゲーミングPCを選ぶなら、フロンティアがおすすめだ。フロンティアは常にセールが開催されているからだ。
- 常にセールを開催:フロンティアでは、週替わり、月替わりでセールが開催されている。セール品は非常にお得な価格設定になっていることが多く、予算を抑えたいゲーマーにとって魅力的な選択肢になる
- セールのラインナップが豊富:セールの対象となるゲーミングPCのラインナップが幅広く、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、様々な構成のゲーミングPCをお得に購入できる
- 高いコストパフォーマンス:セール品を狙えば、他社と比較しても非常に高いコストパフォーマンスでゲーミングPCを手に入れることができる
セール対象外のモデルは、他社と比較して価格が並み~高い場合がある。予算を抑えたい場合は、セール情報をこまめにチェックし、お得なモデルを見つけることが重要だ。
フロンティアのセール情報を活用すれば、予算を抑えつつ、高性能なゲーミングPCを手に入れることができる。
ぜひフロンティアのセール情報をチェックして、お得な一台を見つけてほしい。
›【ケース一覧付き】フロンティアの評判は?購入前に知りたいメリット・デメリットを徹底解説
おすすめの品質重視BTO
品質重視でBTOゲーミングPCを選ぶなら、サイコムがおすすめだ。
サイコムは、高品質なパーツと丁寧な組み立てに定評があり、信頼性の高いゲーミングPCを提供している。
- 品質重視のBTO:標準構成やカスタマイズできるパーツはすべて有名メーカーのもので、信頼性が高い
- パーツのメーカーや型番を公開:使用するパーツのメーカーを公開していて、ユーザーは自分でパーツの品質を確認でき、安心して購入できる
- 冷却性・静音性・耐久性に優れたパーツ:冷却性能や静音性の高いCPUクーラーやケース、耐久性の高い電源ユニットなど、高品質なパーツを厳選して使用している。これにより、長期間安定して使用できるゲーミングPCに仕上がっている
サイコムは高品質なパーツを使用しているため、他社と比較して高額になる傾向にある。特に大手BTOは無名メーカーのパーツを使用して価格を下げている傾向にあるため、サイコムとの価格差が大きい。
サイコムのゲーミングPCは、価格は高いが、品質と信頼性を重視するゲーマーにとって最適な選択肢だ。
›【ケース一覧付き】サイコムの評判は?購入前に知りたいメリット・デメリットを徹底解説
おすすめのカスタマイズ重視(ケース重視)BTO
自分好みのゲーミングPCを追求したいなら、SEVENがおすすめだ。
SEVENは、幅広い選択肢から全パーツをカスタマイズできるBTOで、デザインや性能に徹底的にこだわりたいゲーマーに最適だ。
- 幅広い選択肢から全パーツをカスタマイズ可能:SEVENの選択肢は広すぎるほど豊富で、自分の理想とする構成を実現できる
- パーツごとに解説や画像付き:各パーツには解説と画像が掲載されていて、パーツ選びをしやすい
- 多種多様なデザインのケース:無難なケースや定番のケースだけでなく、変わり種のケースもあるため、個性的なゲーミングPCに仕上げることができる
注意点としては、選択肢が広すぎるため、パーツ選びに時間がかかる場合があることだ。PCに詳しくない人は大変だろう。
とはいえSEVENは自由度の高いカスタマイズ幅と豊富なパーツ選択肢で、理想のゲーミングPCを実現できるBTOだ。
›【ケース一覧付き】SEVENの評判は?メリット・デメリットを徹底解説
BTOゲーミングPCの購入手順
BTOゲーミングPCの購入手順は以下の通り。
- 構成の決定と見積もり
- 購入前のチェックポイント
- 注文から納品まで
- 初期設定
構成の決定と見積もり
BTOショップのウェブサイトで、自分の用途や予算に合わせたパーツ選びをし、構成を決定する。
カスタマイズを終えたら見積もりを確認し、予算内に収まるかを確認しよう。
購入前のチェックポイント
購入前には以下の内容を主に確認しておきたい。
- レビューや評判:実際に購入した人のレビューや評判を参考にする。ただしゲーミングPCは精密機械という性質上、BTOのレビューは低評価が非常に目立つ
- 保証内容:保証期間や保証対象などを確認しておき、不利益を被らないようにする
- 納期:納期を確認し、ゲーミングPCが必要になる時期に間に合うかどうかを逆算する
- 支払い方法:自分が使える支払い方法に対応しているかを確認する
- 送料:送料込みで予算オーバーしないかどうかを確認する
BTOショップは受注生産なので、注文後のキャンセルはできない場合が多い。注文後に後悔しないように確認しておこう。
注文から納品まで
注文後、BTOショップがPCを組み立てて動作確認を行い、問題がなければ発送される。もし問題が起きたときは再度組み直す必要があるため、納期が長くなる。
一般的なBTOショップの納期は数日~2週間ほどだが、時期によって大きく変動する。BTOショップのウェブサイトや見積もり画面に納期が記載されているので確認しよう。
なお記載されている納期は、組み直しの場合も考慮した期日なので、納期以上に長くなることはないと思って良い。
初期設定
ゲーミングPCが届いたら、OSやドライバのインストール、周辺機器の接続など、初期設定を行う。
- ダンボールから慎重に取り出して設置する:ゲーミングPCはダンボールにピッタリはまり込んでいるため、取り出すのが難しい。高性能モデルの場合は重量もあるため細心の注意が必要
- 周辺機器を接続する:モニターはグラフィックボードの端子に接続する必要がある
- 電源を入れ、Windowsの認証をする:プロダクトキーを入力してWindowsの認証をする
BTOゲーミングPCのメンテナンス方法
BTOゲーミングPCを長く快適に使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせない。適切なメンテナンスを行うことで、ゲーミングPCの寿命を延ばしたり、常に最高のパフォーマンスを発揮できたりする。
ここでは、ゲーミングPCのメンテナンスについて解説する。
ソフトウェアの更新
OSやドライバを常に最新の状態に保つことで、セキュリティやパフォーマンスを向上させることができる。
ただし、リリースされたばかりのOSやドライバは安定性に欠けることがあり、場合によっては画面が映らなくなるなどの不具合が発生する可能性がある。
不具合情報を調べた上でソフトウェアを更新しよう。
定期的な掃除
ケース内部にホコリが溜まると、冷却性能が低下して故障の原因となる。定期的にエアダスターや小型掃除機を使ってホコリを取り除く必要がある。
ゲーミングPC内部を触ることになるため、電源をコンセントから抜き、10分以上放置して放電させてから作業に取り掛かるようにしよう。
グリスの塗り直し
CPUとCPUクーラーとの間には、熱伝導率を高めるためのグリスが塗られている。グリスは時間とともに劣化するため、定期的に塗り直すことで冷却性能を維持できる。
BTOゲーミングPCに関してよくある質問
BTOゲーミングPCに関して、よくある質問とその回答をまとめた。
- BTOと自作はどちらが良い?
- BTOゲーミングPCの寿命はどのくらい?
- BTOゲーミングPCに保証は必要なの?
- 中古のゲーミングPCはないの?
BTOと自作はどちらが良い?
ゲーミングPCを選ぶ際、BTOと自作のどちらが良いか悩む人は多いが、初心者にはBTOゲーミングPCが圧倒的におすすめだ。
BTO | 自作 | |
---|---|---|
手間 | 簡単なPC知識さえあればOK | パーツの相性などの知識が必要 |
価格 | BTO側の工賃や利益の分、高くなる | BTOより安い ただしパーツにこだわりだすと価格も高くなる |
カスタマイズ | BTOが提示する限られた選択肢からしか選べない | パーツ同士の相性にさえ気を付ければ、自由にパーツを選べる |
トラブル対応 | 不具合や故障の際、BTOが対応してくれる | 自分でトラブル原因や故障箇所を調べ、自分で解決する必要がある |
自作PCは、PCに関する知識が豊富で、トラブルにも自分で対処できる経験者向けの選択肢だ。
初心者にとって自作PCはハードルが高く、時間と手間、トラブルのリスクを考えると、BTOゲーミングPCが圧倒的に安心で手軽な選択肢と言える。
›【初心者必見】BTOと自作どっちが良い?安心・手軽なゲーミングPCを選ぼう
BTOゲーミングPCの寿命はどのくらい?
BTOゲーミングPCの寿命は、使用状況やメンテナンス状況によって異なるが、一般的には5年程度と言われている。
5年も経てばパーツの故障という物理的な寿命だけでなく、性能的な寿命も来る。
ゲームの要求スペックは年々上昇しているため、たとえゲーミングPCが正常に動作していても、数年後には最新ゲームを快適にプレイできなくなる可能性があるのだ。
物理的な寿命に関しては日々のメンテナンス次第で大きく変わる。定期的にメンテナンスを行い、長く快適に使い続けよう。
BTOゲーミングPCに保証は必要なの?
BTOゲーミングPCには、1年間の基本保証が付いていることが多い。
延長保証に関しては、自分の想定するゲーミングPCの使用状況によって決めると良い。
例えばゲーミングPCを毎日8時間使う予定であれば、保証期間中に壊れる可能性は高いため、延長保証に入ったほうが良い。
一方で土日に2時間使う程度であれば、保証期間中に壊れる可能性は低いため、延長保証に入る必要性は薄いと判断できる。
中古のゲーミングPCはないの?
中古のゲーミングPCも市場に存在する。新品に比べて価格を抑えられる点が魅力だが、購入時にはいくつかの注意点がある。
- 保証:保証期間が1か月程度と短い、もしくはないことがほとんど
- 性能:最新のゲームを最高画質でプレイするには性能不足の可能性が高い(要らなくなって売るわけなので、パーツが古い)
- 状態:外観や内部の状態が不明な場合があり、故障のリスクが高い
中古のゲーミングPCは価格を抑えたい場合には選択肢になる。しかし保証や状態などの注意点やリスクが多く、おすすめできない。
まとめ:自分に合ったBTOゲーミングPCを選ぼう
このページでは、BTOゲーミングPCの選び方を徹底解説した。
- BTOゲーミングPCとは、自分の用途や予算に合わせて構成を変更できる受注生産ゲーミングPCのこと
- BTOゲーミングPCは、用途、重視したいこと、予算から選ぶ
- BTOゲーミングPCで重要なパーツは、CPU、グラフィックボード、メモリなどであり、ゲームの快適さに直結する
- BTOゲーミングPCには、LEDやWi-Fiなど、性能以外でもカスタマイズできることがある
- BTOは特徴ごとに分類でき、価格重視ならフロンティア、品質重視ならサイコム、カスタマイズ重視ならSEVENがおすすめ
- BTOゲーミングPCの構成を決定したら注文して納品を待つ
- BTOゲーミングPCが届いたら初期設定を済ませ、その後のメンテナンスも忘れずに
BTOゲーミングPCは、自分の用途や予算に合わせて、自由にカスタマイズできるのが魅力だ。
この記事で紹介した選び方や主要パーツの解説を参考に、自分にぴったりの一台を見つけて、快適なゲームライフを送ろう。